HTTP-Lite-2.1.4 > HTTP::Lite

名前

HTTP::Lite - 軽量なHTTP実装

利用例

    use HTTP::Lite;
    $http = new HTTP::Lite;
    $req = $http->request("http://www.cpan.org/") 
        or die "Unable to get document: $!";
    print $http->body();

説明

    HTTP::LiteはPerlのための、単体で動作する、軽量なHTTP/1.1の
    実装です。これは十全の機能をもち、LWPの代わりとなって
    置き換えるようなものではありません。かわりに、HTTPをサポート
    するためにアーカイブにインストールするモジュールが最小である
    ことが好ましい状況、プロセッサが遅く、CPUにとってLWPが良い
    候補とならない状況で役立つものであろうと考えています。
    HTTP::Liteは、通常は有意にLWPより高速です。 

    HTTP::LiteはCGI(やmod_perl)プログラムでの利用に、あるいは
    HTTP GETおよびPOST機能だけが不可欠なより大きなパッケージへの
    バンドルには理想的です。 

    HTTP::Liteは基本的なPOSTおよびGET操作だけをサポートします。
    0.2.1では、HTTP::LiteはHTTP/1.1をサポートし、名前ベースの
    バーチャル・ホストに不可欠なHOSTヘッダーを受け入れます。
    加えて、HTTP::Liteは現在、プロキシをサポートします。 

    2.0.0になり、HTTP::Liteは現在ではリクエストデータを
    受け取ってすぐに処理できるように、コールバックをサポート
    しました。これは、十分なメモリなしで巨大なファイルを
    取り扱うのに役立ちます。 

    もし、FTPやHTTPSといったより以上の機能的な要求があれば、
    libwwwperl (LWP)をご覧下さい。 LWPはHTTP::Liteより実に良く、
    包括的なパッケージで、利用できるのであればHTTP::Liteの
    代わりに使うべきです。 

コンストラクタ

new

HTTP::Liteのコンストラクタです。これは現在のところ引数を とりません。将来のバージョンのHTTP::Liteはパラメータを 受け入れるでしょう。

メソッド

request ( $url, $data_callback, $cbargs )

指定されたURLでリクエストを初期化します。

I/Oエラーが起こるとundefが、そうでなければHTTPステータスコードが 返されます。200番台のステータスコードは成功を、300は一時的な エラーを、400は恒久的なエラーを、500はサーバーエラーを あらわします。

HTTPステータスコードの詳細は http://www.w3.org/Protocols/HTTP/HTRESP.html を参照してください。

$data_callbackパラメータは、使用された場合、受信データへのフィルタや、 大きな転送量をハンドルする方法になります。これは関数への リファレンスである必要があり、この関数は以下を渡されます : callbackしたhttpリクエストインスタンスへのリファレンス、 bodyに追加されようとしているデータブロックへのリファレンス、 それから$cbargsパラメータ(何かしら指定されていれば)。これは、 ドキュメントのボディに追加するデータへのリファレンスか、undefの どちらかを返さなければいけません。

set_callbackが使用された場合、$data_callbackと$cbargsは使われません。 $cbargsはスカラーとリファレンスのどちらでも構いません。

data_callbackは次のように呼び出されます: &$data_callback( $self, $dataref, $cbargs )

ドキュメントをファイルに保存するための例です :

  # ファイルハンドル$cbargsへデータを書き出し
  sub savetofile {
    my ($self,$phase,$dataref,$cbargs) = @_;
    print $cbargs $$dataref;
    return undef;
  }

  $url = "$testpath/bigbinary.dat";
  open OUT, ">bigbinary.dat";
  $res = $http->request($url, \&savetofile, OUT);
  close OUT;
set_callback ( $functionref, $dataref )

リクエストの種々のステージにおいて、コールバックをリクエストの状態監視や 振る舞いの変更のために使うことができます。これらの動作はrequest()への $data_callbackパラメータに似ていますが、より用途の広い(訳者注)ものです。 set_callbackはrequest()での$data_callbackを無効にします。

callbacksは次のように呼び出されます: callback ( $self, $phase, $dataref, $cbargs )

現在、次のphasesがあります:

  connect - コネクションが確立され、ヘッダーが送信されようとしています。

  content-length - 返り値がcontent-lengthとして使われます。未指定時には、
            prepare_post()が使用されている場合にはコンテンツ長は算出
            されます。

  done-headers - 全ヘッダー送信完了時点です。

  content - 返り値がコンテントとして扱われ、クライアントに送信されます。
            prepare_post()で内部的に定義されたコンテントを使用するには
            undefを返します。
            
  content-done - コンテントの転送が成功した時です。

  data - データを1ブロック分受信した時です。データは$datarefで参照
            されます。返り値として渡された参照値で、最初に渡された
            コンテントが置き換えられます。大きなドキュメントでメモリが
            使用されるのを避けるにはundefを返します。

  done - リクエスト終了時です。

※訳者注:verstaileとあったがversatileとみなして訳した。

prepare_post ( $hashref )

POSTフォームに含めるアップロードしたい値の連想配列への リファレンスを取ります。HTTPボディを生成し、メソッドを POSTに設定します。

http11_mode ( 0 | 1 )

HTTP/1.1サポートのOn/Offを切り替えます。壊れたHTTP/1.1サーバに 対応するため、デフォルトではoffです。 HTTP/1.1サポートを有効に するには、1にしてください。

add_req_header ( $header, $value )
get_req_header ( $header )
delete_req_header ( $header )

HTTPリクエストヘッダを追加、削除、または取得します。この関数は どのヘッダでも上書きを許します。現在は、HTTP::Liteモジュールに よりあらかじめHost、User-Agent、Content-Type、Accept、そして Connectionが定義されます。 HostやConnection、あるいはAcceptは 上書きしない方が良いでしょう。

(プロキシ)認証を提供するには、以下を使います :

    use HTTP::Lite;
    use MIME::Base64;
    $http = new HTTP::Lite;
    $encoded = encode_base64('username:password');
    $http->add_req_header("Authorization", $encoded);

注意: 現在の実装では、どのヘッダも1つのインスタンスに制限 されます。

body

リモートサーバーから返されたドキュメントのボディを返します。

headers_array

リモートホストから返されたHTTPヘッダーを配列で返します。

headers_string

リモートホストから返されたHTTPヘッダーを文字列表現で返します。

get_header ( $header )

リクエストヘッダーを配列で返します。

注意: HTTPリクエストはヘッダごとのインスタンスになるような 制限がありません。このため、すべてのヘッダに1つ以上のエントリが 入るかもしれません。

protocol

リモートサーバから告げられたHTTPプロトコル標識を返します。これは 一般に、HTTP/1.0かHTTP/1.1のどちらかです。

proxy ( $proxy_server )

次のリクエストで使用するプロキシのURLまたはホストネームです。

status

サーバから返されたHTTPステータスコードを返します。これは通常、 request()の返り値です。

status_message

サーバーから返されたステータスコードの、テキストによる記述を 返します。ステータス文字列は特定のフォーマットの遵守を 求められませんが、大半のHTTPサーバーは標準的な記述のセットを 使います。

reset

これはHTTP::Liteハンドルを再利用する前に実行します。 そうしないと、結果は不確定です。

local_addr ( $ip )

ローカルIPアドレスを明示的に選択します。0.0.0.0(デフォルト)は システムによる選択を許します。

local_port ( $port )

ローカルポートを明示的に選択します。0(デフォルトかつ推奨)は システムによる選択を許します。

method ( $method )

メソッドを明示的に選択します。prepare_postまたはresetを使用すると この設定は上書きされます。通常選択できるのはGET、POST、PUT、HEADです。

    # CPANホームページのヘッダーとボディーを取得し、出力する
    use HTTP::Lite;
    $http = new HTTP::Lite;
    $req = $http->request("http://www.cpan.org/")
        or die "Unable to get document: $!";
    die "Request failed ($req): ".$http->status_message()
      if $req ne "200";
    @headers = $http->headers_array();
    $body = $http->body();
    foreach $header (@headers)
    {
      print "$header$CRLF";
    }
    print "$CRLF";
    print "$body$CRLF";

    # dejanews USENET検索エンジンにリクエストをポストする
    use HTTP::Lite;
    $http = new HTTP::Lite;
    %vars = (
             "QRY" => "perl",
             "ST" => "MS",
             "svcclass" => "dncurrent",
             "DBS" => "2"
            );
    $http->prepare_post(\%vars);
    $req = $http->request("http://www.deja.com/dnquery.xp")
      or die "Unable to get document: $!";
    print "req: $req\n";
    print $http->body();

未実装の機能

    - FTP
    - HTTPS (SSL)
    - Authenitcation/Authorizaton/Proxy-Authorizationは直接は
      サポートしておらず、MIME::Base64が必要です。 
    - リダイレクト(Location)は自動的に追跡されません。 
    - multipart/form-dataのPOSTは直接サポートされてはません。
      (これはファイルアップロードには不可欠です) 

バグ

    正しく動作しないHTTP/1.1サーバーはファイル転送時に、不正確な
    サイズを送ります。HTTP/1.1モードは現在、デフォルトでは無効に
    してあります。 

作者

Roy Hooper <[email protected]>

参照

LWP RFC 2068 - HTTP/1.1 -http://www.w3.org/

著作権

Copyright (c) 2000-2002 Roy Hooper. All rights reserved.

このプログラムはフリーウェアです; Perlそれ自体と同じ文言の元で 改変と/あるいは再配布を行うことができます。

翻訳者

塚本 牧生 <[email protected]>