名前¶
HTTP::Lite - 軽量なHTTP実装
利用例¶
use HTTP::Lite;
$http = new HTTP::Lite;
$req = $http->request("http://www.cpan.org/")
or die "Unable to get document: $!";
print $http->body();
説明¶
HTTP::LiteはPerlのための、単体で動作する、軽量なHTTP/1.1の
実装です。これは十全の機能をもち、LWPの代わりとなって
置き換えるようなものではありません。かわりに、HTTPをサポート
するためにアーカイブにインストールするモジュールが最小である
ことが好ましい状況、プロセッサが遅く、CPUにとってLWPが良い
候補とならない状況で役立つものであろうと考えています。
HTTP::Liteは、通常は有意にLWPより高速です。
HTTP::LiteはCGI(やmod_perl)プログラムでの利用に、あるいは
HTTP GETおよびPOST機能だけが不可欠なより大きなパッケージへの
バンドルには理想的です。
HTTP::Liteは基本的なPOSTおよびGET操作だけをサポートします。
0.2.1では、HTTP::LiteはHTTP/1.1をサポートし、名前ベースの
バーチャル・ホストに不可欠なHOSTヘッダーを受け入れます。
加えて、HTTP::Liteは現在、プロキシをサポートします。
2.0.0になり、HTTP::Liteは現在ではリクエストデータを
受け取ってすぐに処理できるように、コールバックをサポート
しました。これは、十分なメモリなしで巨大なファイルを
取り扱うのに役立ちます。
もし、FTPやHTTPSといったより以上の機能的な要求があれば、
libwwwperl (LWP)をご覧下さい。 LWPはHTTP::Liteより実に良く、
包括的なパッケージで、利用できるのであればHTTP::Liteの
代わりに使うべきです。
コンストラクタ¶
- new
-
HTTP::Liteのコンストラクタです。これは現在のところ引数を とりません。将来のバージョンのHTTP::Liteはパラメータを 受け入れるでしょう。
メソッド¶
- request ( $url, $data_callback, $cbargs )
-
指定されたURLでリクエストを初期化します。
I/Oエラーが起こるとundefが、そうでなければHTTPステータスコードが 返されます。200番台のステータスコードは成功を、300は一時的な エラーを、400は恒久的なエラーを、500はサーバーエラーを あらわします。
HTTPステータスコードの詳細は http://www.w3.org/Protocols/HTTP/HTRESP.html を参照してください。
$data_callbackパラメータは、使用された場合、受信データへのフィルタや、 大きな転送量をハンドルする方法になります。これは関数への リファレンスである必要があり、この関数は以下を渡されます : callbackしたhttpリクエストインスタンスへのリファレンス、 bodyに追加されようとしているデータブロックへのリファレンス、 それから$cbargsパラメータ(何かしら指定されていれば)。これは、 ドキュメントのボディに追加するデータへのリファレンスか、undefの どちらかを返さなければいけません。
set_callbackが使用された場合、$data_callbackと$cbargsは使われません。 $cbargsはスカラーとリファレンスのどちらでも構いません。
data_callbackは次のように呼び出されます: &$data_callback( $self, $dataref, $cbargs )
ドキュメントをファイルに保存するための例です :
# ファイルハンドル$cbargsへデータを書き出し sub savetofile { my ($self,$phase,$dataref,$cbargs) = @_; print $cbargs $$dataref; return undef; } $url = "$testpath/bigbinary.dat"; open OUT, ">bigbinary.dat"; $res = $http->request($url, \&savetofile, OUT); close OUT;
- set_callback ( $functionref, $dataref )
-
リクエストの種々のステージにおいて、コールバックをリクエストの状態監視や 振る舞いの変更のために使うことができます。これらの動作はrequest()への $data_callbackパラメータに似ていますが、より用途の広い(訳者注)ものです。 set_callbackはrequest()での$data_callbackを無効にします。
callbacksは次のように呼び出されます: callback ( $self, $phase, $dataref, $cbargs )
現在、次のphasesがあります:
connect - コネクションが確立され、ヘッダーが送信されようとしています。 content-length - 返り値がcontent-lengthとして使われます。未指定時には、 prepare_post()が使用されている場合にはコンテンツ長は算出 されます。 done-headers - 全ヘッダー送信完了時点です。 content - 返り値がコンテントとして扱われ、クライアントに送信されます。 prepare_post()で内部的に定義されたコンテントを使用するには undefを返します。 content-done - コンテントの転送が成功した時です。 data - データを1ブロック分受信した時です。データは$datarefで参照 されます。返り値として渡された参照値で、最初に渡された コンテントが置き換えられます。大きなドキュメントでメモリが 使用されるのを避けるにはundefを返します。 done - リクエスト終了時です。
※訳者注:verstaileとあったがversatileとみなして訳した。
- prepare_post ( $hashref )
-
POSTフォームに含めるアップロードしたい値の連想配列への リファレンスを取ります。HTTPボディを生成し、メソッドを POSTに設定します。
- http11_mode ( 0 | 1 )
-
HTTP/1.1サポートのOn/Offを切り替えます。壊れたHTTP/1.1サーバに 対応するため、デフォルトではoffです。 HTTP/1.1サポートを有効に するには、1にしてください。
- add_req_header ( $header, $value )
- get_req_header ( $header )
- delete_req_header ( $header )
-
HTTPリクエストヘッダを追加、削除、または取得します。この関数は どのヘッダでも上書きを許します。現在は、HTTP::Liteモジュールに よりあらかじめHost、User-Agent、Content-Type、Accept、そして Connectionが定義されます。 HostやConnection、あるいはAcceptは 上書きしない方が良いでしょう。
(プロキシ)認証を提供するには、以下を使います :
use HTTP::Lite; use MIME::Base64; $http = new HTTP::Lite; $encoded = encode_base64('username:password'); $http->add_req_header("Authorization", $encoded);
注意: 現在の実装では、どのヘッダも1つのインスタンスに制限 されます。
- body
-
リモートサーバーから返されたドキュメントのボディを返します。
- headers_array
-
リモートホストから返されたHTTPヘッダーを配列で返します。
- headers_string
-
リモートホストから返されたHTTPヘッダーを文字列表現で返します。
- get_header ( $header )
-
リクエストヘッダーを配列で返します。
注意: HTTPリクエストはヘッダごとのインスタンスになるような 制限がありません。このため、すべてのヘッダに1つ以上のエントリが 入るかもしれません。
- protocol
-
リモートサーバから告げられたHTTPプロトコル標識を返します。これは 一般に、HTTP/1.0かHTTP/1.1のどちらかです。
- proxy ( $proxy_server )
-
次のリクエストで使用するプロキシのURLまたはホストネームです。
- status
-
サーバから返されたHTTPステータスコードを返します。これは通常、 request()の返り値です。
- status_message
-
サーバーから返されたステータスコードの、テキストによる記述を 返します。ステータス文字列は特定のフォーマットの遵守を 求められませんが、大半のHTTPサーバーは標準的な記述のセットを 使います。
- reset
-
これはHTTP::Liteハンドルを再利用する前に実行します。 そうしないと、結果は不確定です。
- local_addr ( $ip )
-
ローカルIPアドレスを明示的に選択します。0.0.0.0(デフォルト)は システムによる選択を許します。
- local_port ( $port )
-
ローカルポートを明示的に選択します。0(デフォルトかつ推奨)は システムによる選択を許します。
- method ( $method )
-
メソッドを明示的に選択します。prepare_postまたはresetを使用すると この設定は上書きされます。通常選択できるのはGET、POST、PUT、HEADです。
例¶
# CPANホームページのヘッダーとボディーを取得し、出力する
use HTTP::Lite;
$http = new HTTP::Lite;
$req = $http->request("http://www.cpan.org/")
or die "Unable to get document: $!";
die "Request failed ($req): ".$http->status_message()
if $req ne "200";
@headers = $http->headers_array();
$body = $http->body();
foreach $header (@headers)
{
print "$header$CRLF";
}
print "$CRLF";
print "$body$CRLF";
# dejanews USENET検索エンジンにリクエストをポストする
use HTTP::Lite;
$http = new HTTP::Lite;
%vars = (
"QRY" => "perl",
"ST" => "MS",
"svcclass" => "dncurrent",
"DBS" => "2"
);
$http->prepare_post(\%vars);
$req = $http->request("http://www.deja.com/dnquery.xp")
or die "Unable to get document: $!";
print "req: $req\n";
print $http->body();
未実装の機能¶
- FTP
- HTTPS (SSL)
- Authenitcation/Authorizaton/Proxy-Authorizationは直接は
サポートしておらず、MIME::Base64が必要です。
- リダイレクト(Location)は自動的に追跡されません。
- multipart/form-dataのPOSTは直接サポートされてはません。
(これはファイルアップロードには不可欠です)
バグ¶
正しく動作しないHTTP/1.1サーバーはファイル転送時に、不正確な
サイズを送ります。HTTP/1.1モードは現在、デフォルトでは無効に
してあります。
作者¶
Roy Hooper <[email protected]>
参照¶
LWP RFC 2068 - HTTP/1.1 -http://www.w3.org/
著作権¶
Copyright (c) 2000-2002 Roy Hooper. All rights reserved.
このプログラムはフリーウェアです; Perlそれ自体と同じ文言の元で 改変と/あるいは再配布を行うことができます。
翻訳者¶
塚本 牧生 <[email protected]>