Jcode-0.82 > Jcode

名前

Jcode - 日本語文字集合ハンドラ

概要

 use Jcode;
 # 
 # 従来の方法
 Jcode::convert(\$str, $ocode, $icode, "z");
 # あるいは OOP!
 print Jcode->new($str)->h2z->tr($from, $to)->utf8;

説明

Jcode.pmはオブジェクト的なアプローチと従来のアプローチの 両方をサポートしています。 オブジェクト的なアプローチでは以下のようにすることができます;

$iso_2022_jp = Jcode->new($str)->h2z->jis;

これは以下のものよりもエレガントでしょう;

$iso_2022_jp = &jcode::convert(\$str,'jis',jcode::getcode(\str), "z");

それでもオブジェクトに慣れていない人のために、Jcode.pmはgetcode()とconvert()を サポートしています。

メソッド

ここで説明されるメソッドは、何も説明がなければJcodeオブジェクトを返します。

$j = Jcode->new($str [, $icode]);

$strからJcodeオブジェクトを作成します。明示的に$icodeが設定されなければ、 入力コードが自動的にチェックされます。利用できる文字集合に関しては 下記のgetcodeを、ご覧ください。

そのオブジェクトは、その文字列を内部的にはEUC形式で保持します。 オブジェクトそのものが評価されたとき、それはEUCに変換された文字列を 返します。そのためEUCを使っているのであれば、アクセスメソッドを呼ぶことなく "print $j;"とすることができます(関数オーバーロードに感謝)

リファレンス渡し

スカラー値の代わりに、以下のようにリファレンスを使うことが出来ます

Jcode->new(\$str);

これにより時間を少しだけ節約することができます。その代わり$strの値が 変換されます。(こうすると、今度は$strはjcodeオブジェクトに "結び付けられています")。

$j->set($str [, $icode]);

$strを$jの内部文字列として設定します。Jcodeオブジェクトを繰り返し利用するときに、 便利です。(オブジェクトを作るための時間とメモリを節約します)。

 # メールボックスをSJIS形式に変換します
 my $jconv = new Jcode;
 $/ = 00;
 while(<>){
     print $jconv->set(\$_)->mime_decode->sjis;
 }
$j->append($str [, $icode]);

$jの内部文字列の後ろに$strを追加します。

$j = jcode($str [, $icode]);

Jcode->new()の手っ取り早い方法です。そこで以下のようにできます;

$sjis = jcode($str)->sjis;

$euc = $j->euc;
$jis = $j->jis;
$sjis = $j->sjis;

指定したものが手に入るってわけです (=What you code is what you get) :)

$iso_2022_jp = $j->iso_2022_jp

$j->z2h->jisと同じです。 半角カナを強引に全角に変換します

[@lines =] $jcode->jfold([$bytes_per_line, $newline_str]);

複数バイト文字列を壊すことなく、jcodeの文字列を$bytes_per_line (デフォルト: 72)毎に改行します。 (残念ながら禁則処理は行いません!) 改行文字列は$newline_strで指定されます(デフォルト: \n)。

$length = $jcode->jlength();

バイト長ではなく文字数を適切に返します。

MIME::Base64を使うメソッド

以下のメソッドを使うためには、MIME::Base64が必要です。インストールする ためには単に以下のようにするだけです

   perl -MCPAN -e 'CPAN::Shell->install("MIME::Base64")'
$mime_header = $j->mime_encode([$lf, $bpl]);

$strをRFC1522で記述されているMIMEヘッダに変換します。 $lfが指定されているときには、改行するために$lfを使用します(デフォルト: \n)。 $bplが指定されているときには、バイト数のためにbplを利用します(デフォルト: 76: この数字は76よりも小さくなければなりません)。

$j->mime_decode;

Jcodeオブジェクトの中のMIMEヘッダをデコードします。

$j->nmatch;とすればマッチした数を取り出すことができます;

Jcode::H2Zによって実装されているメソッド

以下のメソッドは実際にはJcode::H2Zで実装されています。

$j->h2z([$keep_dakuten]);

X201カナ(半角)をX208カナ(全角)に変換します。 $keep_dakutenが設定されているときには、濁点をそのまま 残します(つまり"カ + 濁点"は"ガ"に変換される代わりに そのままになります)

$j->nmatch;とすればマッチした数を取り出すことができます;

$j->z2h;

X208カナ(全角)をX201カナ(半角)に変換します。

$j->nmatch;とすればマッチした数を取り出すことができます;

Jcode::Trで実装されているメソッド

以下のメソッドは実際にはJcode::Trで実装されています。

$j->tr($from, $to);

Jcodeオブジェクトにtrを適用します。$fromと$toには日本語EUCを 入れることができます。

$j->nmatch;とすればマッチした数を取り出すことができます;

Jcode::Unicodeで実装されているメソッド

あなたのperlがXSをサポートしていなければ(あるいはperl Makefile.PL ができないのであれば)、Jcode::Unicode::NoXSが使われます。

詳細についてはJcode::UnicodeJcode::Unicode::NoXSをご覧ください。

$ucs2 = $j->ucs2;

UCS2(Raw Unicode)文字列を返します。

$ucs2 = $j->utf8;

utf8文字列を返します。

インスタンス変数

Jcodeオブジェクトのインスタンス変数にアクセスする必要があれば、 直接アクセスする代わりに、以下のアクセス・メソッドを使ってください。 (それこそOOPってもんです)

ちなみに、Jcodeは、速度を最適化するため(一般的な方法である)ハッシュへの リファレンスの代わりに配列へのリファレンスを使います。(実際には、 アクセス・メソッドを代わりに使っている限りは、知る必要はありません; もう一度いいますが、それがOOPなんです)

$j->r_str

EUCコードになった文字列へのリファレンス。

$j->icode

最後の処理での入力文字コード。

$j->nmatch

マッチした数($j->trなどで使われます)

サブルーチン

($code, [$nmatch]) = getcode($str);

$strの文字コードを返します。返されるコードには以下のものがあります:

 ascii   Ascii (日本語コードが入っていません)
 binary  バイナリ (テキスト・ファイルではありません)
 euc     EUC-JP
 sjis    SHIFT_JIS
 jis     JIS (ISO-2022-JP)
 ucs2    UCS2 (Raw Unicode)
 utf8    UTF8

スカラーではなく配列コンテキストが使われているときには、いくつの 文字コードが見つかったのかも返します。上記のように、$strは\$strと することができます。

jcode.pl ユーザーへ: この関数のjcode::getcode()との上位互換性は 100%です -- ウーンとほとんど。

 * 戻り値が配列であるとき、その順番が逆になります;
   jcode::getcode() は$nmatchを先に返します。

 * jcode::getcode()はEUCの文字の数がSJISのものと同じときには'undef'を
   返します。Jcode.pmは中間的ではないので、Jcode::getcode()はEUCを返します。
Jcode::convert($str, [$ocode, $icode, $opt]);

$strを$ocodeで指定された文字コードに変換します。$icodeも指定されたときには、 getcode()でチェックされたもののではなく、$icodeを入力用に想定します。 上記のように$strは\$strにすることができます。

jcode.pl ユーザへ: この関数はjcode::convert()との上位互換性は100%です!

バグ

JcodeによるUnicodeのサポートは効率的とはとても言えません!

今後

うまくいけば、JcodeはPerl5.7以上では標準モジュールの一部となる Encodeによって取って代わられることになるでしょう。

謝辞

This package owes a lot in motivation, design, and code, to the jcode.pl for Perl4 by Kazumasa Utashiro <[email protected]>.

Hiroki Ohzaki <[email protected]> has helped me polish regexp from the very first stage of development.

And folks at Jcode Mailing list <[email protected]>. Without them, I couldn't have coded this far.

参考資料

Jcode::Unicode

Jcode::Unicode::NoXS

http://www.iana.org/assignments/character-sets

Encode

著作権(COPYRIGHT)

Copyright 1999 Dan Kogai <[email protected]>

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